現場で役立つ 生徒がもつテキストの条件 音声付きテキスト

小学3~6年生を対象とした物語人体表現活動の条件は英語・日本語によるSkit・Story(物語)です。ポイントは生徒が手にするテキストから思考・想像・自己表現するための基になる情報を生徒がどれだけ得られるかです。生徒にとって有効になるように、テキストの中にどれだけの情報と条件を与えているかがポイントです。それは様々な方向から物事に関心を持つきっかけを作り、なにより”解る”力の基になります。テキストの英語文字が、独り学習でも発語できるような工夫が必要です。

音声付きテキストは担当教師の負担をより軽減できます。

発語できる条件として、テキストに英語・日本語による語りの力が鮮明に録音されたCDなど音声機能があることです。独りでいつでも利用できること。これが4技能4要素に取り組む上で大きな働きになると考えます。独り学習は、学校以外の環境でも、新しい発見や、思考・想像を働かすことができますし、次の授業での発言につながってくると考えます。

授業内でいくら発語できていても、時間が経てば記憶から消えています。しかし生徒が独り学習で発語できる条件があれば、彼らは自然と独り学習できる習慣を持つようになるでしょう。近頃、本屋にあります語学系問題集にもCD付きが必須になってきています。CDなど音声機能付きテキストは教師の負担を大いに削減できる重要な条件でもあります。

児童が利用するSkit/Story(物語)テキストはテキスト内容が理解しやすいように、児童が内容把握しやすい情報にします。持ち帰っても楽しめる条件を入れておくことで、児童は日々英語・日本語Skit/Story(物語)を楽しみながら教室に向かうことができます。

英語のベースが未熟な児童期

英語のベースが未熟で、まだ日本語を積み重ねてゆく時期である児童期は英語・日本語のSkit/Story(物語)テキストが導入しやすいと思われます。

英語のみのページとそれに対応した日本語のみのページにします。

1英語文に1日本語文が左右にある見開ページが望ましいです。左ページの英文を見て、目を右横に流せば、その日本文があることです。

Skit/Story(物語)をSpeaking するときに、英語のみを見て日本語の意味が分かるように、日本語だけを見て、英語をSpeaking する、あるいは日本語だけを見て、英語がWritingできる、そのためには左右英日対応テキストは利用しやすいといえるでしょう。英語思考、日本語思考を養うことにおいても有効といえるのではないでしょうか。

主語・動詞、形容詞・副詞・慣用句などが色分けされて、英語と日本語のそれぞれの対応部分が同じ色であれば、学習者はおのずと英語と日本語の並び方の違いを感じ取ることができます。

主語・動詞、形容詞・副詞・慣用句を別の単語、群語などと入れ替えれば別の文章を作ることができる発想を持つことができるようになるかも知れません。これはWritingに応用できます。

単語の発音・アクセント、文章読みが自宅でもできるように、テキスト上では、主語・動詞・形容詞・副詞・慣用語句ごとに文字色を変えて、英語と日本語の並びの違いが一目でわかるように工夫されたテキストは文法意識を育てます。

テキスト内に生徒自身、4要素が記入できるメモ用スペースが十分にあれば、テキスト一冊を自分の活動履歴にすることができるでしょう。

先生と生徒のコミュニケーション

始めにテキスト(物語)をどのように用いるか、生徒には何をどのようにするかのコミュニケーションを図っておきます。それは生徒がどのような授業か想像することができます。ゴール(仕上げ)が表現による発表であることを伝えます。

ゴールでは各グループの仕上げの見せ合いをします。各グループがテーマとした同じSkit/Story(物語)をどのように想像し考えたかの結果を観ているわけですから、おのずと自分たちのグループとの違いも発見します。その違いの発見は個々人の思考、想像をさらに広げるきっかけとなります。発表時間はSpeaking(語り手)とListening(聞き手)の時間でもあります。

グループ活動

1グループでは物語文章のことばを拾いながら(Speaking)、場面や背景など、個々が描いている思い、考えを交換し合います(Communication)。物語人体表現活動に入る段階では、初めは小グループが望ましいと思われます。大きなグループでは一人の小さな声が消されがちになるからです。どのような小さな声も拾ってゆける始まりは小グループが適しています。コミュニケーションが密になってくれば、一つのグループ人数を増やしてゆけるようになりますし、そのほうが適している場合があります。物語の役割分担をしながら、役割を替えながら、ことばの発語練習をしながら、テキストのことばに合う動きを考え、意見を交わし合います(Speaking,想像と思考の時間)。その際に、考えの違いが生まれてきますが、ひとりひとりの考えを一つ一つ試し表現しながら“これがいいね”に至るようにします(Speakingしながら)。これはことばと心を一致させようとする過程です。Speakingと思考を繰り返し、動きの修正をする時間です。やがて物語の動き(表現)の約束事が決まってきます。

おもしろい現象が生まれてきます

実際、物語人体表現活動をしてゆきますと、いろいろな現象が生まれてきます。同じテーマを共有しているグループ活動では人間関係が密になってきます。物語(Skit・Story)の役割分担をして、練習をしていくうちに、自分のセリフは上手く語れないのに相手のセリフの間違いを指摘するということも起こります。人は相手のいうことばには敏感になる・・・人間の習性が現れてくるかもしれません。耳に入る相手のセリフを先に覚えてしまうこともあります。互いに影響しあうことで”覚える”環境ができます。

グループメンバーの入れ替えは思考と想像力を磨きます

グループメンバーを入れ替えたり、役を変えて、新しいメンバーと再び同じ物語を共有し合いますと、より意識の広がりがあります。次第にセリフが語れるようになってきます。これが物語人体表現活動の面白いところです。タイミングを図ってグループチェンジして、誰もが教室内のどの人とも話せる環境を作って行きますと、情報や知識の広がりが起こり、自分のこだわりに自身が解決でき、個々人の思考や想像力に広がり(広い心)を持つことが期待できます。

グループ活動の中で、うまくゆかないこと、例えば、メンバーとなった人たちすべてが 偶然にも、まだReading・Speakingができる状態に達していないとか、Communicationがうまく行われていない場合も起りえます。その時はNativeの先生や、教師がうまく助っ人としてそのグループに参加することで通過できることも有り得るでしょう。

ことばをたべる・・・ことばがからだになるまで

横たわっている文字(Text 本文 / Skit)を起きあがらせる

Reading, Speakingは、食べ物をパクパク食べるように、横たわっていることばを口に入れて、味わい、よく噛み、飲み込んで、細胞に食いつかせることです。体で表現するとは細胞に入ったことばを心に送り、体に動きを起こさせることです。ことばは脳におくられ、脳は体を動かせるように指示してくるでしょう。

ことばが体になるまで

ことば(セリフ)は体の細胞がことばをパクパクと食べてくれていると感じるまで繰り返します。その時に、Speakingしづらい生徒やGroupがあれば、教師やNative の先生が助けの手を差し伸べることができます。日本人教師とNative 教師がいる環境下では、お互いの役割分担を明確にし、互いに独立した存在であれば、生徒もどちらに何を尋ねることができるかを判断することができます。Native教師とのCommunicationは異文化交流の”時”でもあります。

StoryはSkit(一場面)の集合体

Skitが増えてきますとStoryになります。年数を重ねるにつれて、Skit数が増えてきますから、それを組み合わせて、Story化することができます。それは個々人の創作を生み出す機会(Writing)を作ることにもなります。

Writing

Writingの授業にSkit/Story(物語)を利用して文法を導入します。国語の授業で日本語文法を教える時期には生徒はすでに日本語が話せるようになっています。だから先生が文法を教えても生徒は理解できるのです。英語も同じように生徒にある程度、身に着けた英語に合わせて文法を教えると、生徒は想像力を働かせることができます。その段階での日本語⇔英語の作文を作ることができます。

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